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『オープンスタイル』完成記念座談会

『オープンスタイル』完成記念 浜田きよ子先生を囲み、開発チームで座談会を開催しました。

出席者 浜田きよ子先生(日本初のはいせつケア情報館むつき庵代表)、三宅浩史さん(紙おむつメーカー・株式会社リブドゥコーポレーション)、辻岡義之さん(素材メーカー・ミツカワ株式会社) 江副正典(弊社)。

―― (司会) 『オープンスタイル』という製品の個性はまず、布製だということです。開発時から「紙おむつのアウターをもう一度布に戻す」というワードもありました。
布製パンツがアウターとして優れている点など、あらためてご教示ください。

布×紙の組み合わせなら、肌触りよく、姿勢が安定しやすい。

浜田きよ子先生

浜田きよ子先生 素材が布であることによって、着用感、肌触りが下着のようであれば心地よいと思います。機能面から考えると、介護で重要なのはそれを着用した姿勢の問題があると思います。
パンツ型紙おむつの様に吸収体を持ったアウターの上に、さらに吸収体を持つパッドを当てると人間の身体がどうなるのか。より一層股間が開いて座りにくい姿勢になります。
股がゴワゴワしますし、股が開いて骨盤が後傾していきます。
この時、パンツ型紙おむつの吸収体はパッドをさえるためにしか使われません。パンツ型紙おむつを単体で使うのならば、その吸収体は非常に有効です。でも履かせにくかったり、排尿のたびに交換していたらコストが高くつくといった理由で、内側に紙パッドを併用するようになります。ところが、アウターの吸収体は、紙パッドの押さえの役割しか果たしていないでしょう。それならば布製アウターの方が通気性も良いし、何よりも股間が開きすぎないです。
吸収体がダブらない。姿勢が安定しやすいですし、介護者がパンツを上げ下げをする時の皮膚に対しての摩擦、刺激も紙パンツに比べて滑らかでダメージを与えにくくなります。

ただし、こうした利点は、布製ホルダーと紙おむつを状況に応じて使い分けることで生きてきます。ご承知の通り、パンツ型紙おむつは履きやすくて、よく伸びます。
だから、少しマヒがある人でも、パンツ型紙おむつなら自分で上げ下げができるなどの利点があります。対象者を明確にして、パンツ型紙おむつはどんな人に対して有効かもよく考えないといけません。介護者によりケアがなされる関係ならば、紙パッドをおさえる目的で使うアウターを、あえてパンツ型紙おむつにする必要はない、そんなふうに思います。

布と紙は、状況に応じて使い分ける。

三宅浩史さん(右)、小西宏幸さん(左)
ともにリブドゥコーポレーション。

三宅浩史さん 紙パンツが目指しているものは下着らしさです。布を目指すが布ではないという事実は、皮膚の感覚と見た目の問題としてあります。
アウターの機能を考えれば、優先されるべきは、まず動きやすいこと、そして、中の紙パッドをホールドしてモレないものが良いでしょう。
様々な利便性を挙げていくと、そこには使い捨ての便利さも求められていることが分かります。でも、使い捨ての便利さは紙パッドにこそ求めて行くべきものだろうと思われますので、布製ホルダーの重要性は誰もが認めるところでしょう。

――下痢の便モレがある時などは、布にこだわらずに、使い捨てができるという紙おむつの利便性を享受した方が良いでしょうね。

浜田きよ子先生 そう。対象者によって使い分けることが求められますよね。下痢の時に洗濯が前提の布製ホルダーにこだわる必要はないでしょう。旅行時も同じでしょうね。状況に応じて必要なものを選んでいくことが大事なんだと思います。

――その部分は、漠然とは分かっているのだけれど注視していなかった領域のように思えます。}

浜田きよ子先生 オムツフィッター研修などで、そんな話しになります。パンツ型紙おむつの中に紙パッドを入れて使うと、アウターの吸収体は押さえの役目しか果たさないということを示すと、参加された皆さんは「言われてみればその通り。でも気付かなかった」とおっしゃる方が多いです。
研修の一環として、紙おむつの着用体験をしていただくことがあります。パンツ型紙おむつに紙パッドを重ねて当てて、それで歩いてもらうんです。ゴワゴワして股が大きく開いているので、そこで皆さんは「これは姿勢が崩れるぞ」と気付くんです。そこを共有してから、今度は、重ねたパッドを1枚抜きとるたびに、歩行しやすい姿勢になって行動の幅が広がっていくことを体験していただきます。

――『オープンスタイル』のモニター調査では、尿意の回復例も報告されています。

浜田きよ子先生 尿意の回復は大きな出来事ですが、でもそれははいせつケアの結果の一つであって、目的ではないです。
尿意についてですが、赤ちゃんは膀胱機能が未熟なので尿を溜めずに出します。それが成長と共にどんどん溜めることができるようになっていきます。私が抱いているイメージですが、鳥ならばどこででも排尿できないと飛べない。人間は鳥のようにどんな場所でも排尿できるのかというと、それはできない。どこでも排尿すると社会生活を営めないでしょう。だから溜めることと、出して良い場所を覚えて行きます。
でもテープ止め紙おむつ、パンツ型紙おむつ、紙パッドなどで股間を重装備にすると、いわば、お尻にトイレがくっついている状態です。トイレが付いているのでどこでも排尿できるようになります。そうなると、その人が本来持っている尿意という感覚の意味が無くなっていきます。
そういう現状があって、布製のホルダーと紙パッドを併用することによって尿意が回復している人たちは、ほどよい緊張を取り戻すというか、「ここで排尿してよいのだろうか?」と注意喚起されているように思うんです。その尿意に基づきトイレで排尿したら、それがご自身の心地良さにつながる、ということは十分に考えられることでしょうね。

施設を利用されていた98歳の方が「おしり気持ち良かった。ありがとう」と言って亡くなっていきました。

開発会議の様子

浜田きよ子先生 ニシキさんの定番布製ホルダー『ソ・フィット』を使っている施設でこんなことがあったんです。施設を利用されていた98歳の方が「おしり気持ち良かった。ありがとう」と言って亡くなっていきました。別の施設では、利用者さんが亡くなる前に、家族が「あ、うちのお母さん、おむつじゃなかったんだ」と言って喜ばれたのです。このことは介護士さんの誇りになったんです。

今後は、吸収は紙パッドが担い、アウターは紙パッドをホールドする役目に徹するという役割分担に焦点が集まるでしょう。

江副正典(弊社)

江副正典 おむつの歴史も振り返ってみましょう。もともとは布製おむつと防水おむつカバーを組み合わせて使っていました。そこに、紙おむつが出てきたんです。紙おむつは最初、防水フィルムも貼ってなかったのですが、改良が進んで防水フィルムを貼った製品が登場すると、パンツタイプ1枚で使えば良い。という風潮になりました。
ところが、それでは経済性が悪いという問題に直面します。そこで、紙おむつから吸水機能を抽出した紙パッドという考え方が生まれ、吸水は紙パッドが担うことになりました。
そこで、吸収体がダブってしまうという、浜田先生の指摘されている状況に陥ったんです。
紙おむつと紙パッドが5枚重ね、6枚重ねで使われる。重ね使いはダメですよという機運があったのに、今また、重ね使いになってきていますね。だから、『オープンスタイル』でもう一度重ね使いから離れて行くべきです。
今後は、吸収は紙パッドが担い、アウターは紙パッドをホールドする役目に徹するという役割分担に焦点が集まるでしょう。
本来は自分の下着で紙パッドを押さえれば良いだけですが、そんなホルダー機能を持つ下着はないんです。ですから、今回私たちが企画した『オープンスタイル』は、この下着としての役割を担うわけです。

浜田きよ子先生 女性で生理が重い時、生理用パッドを重ねて使うことはありません。吸収量の多少で調整するだけです。尿も同じなのですが、介護する時はなぜか重ねるんですよね。
今はいろんな角度からの研究が進んでいて、例えば重ねて使うことから派生する介護の手法として「紙パッドを抜き取る」という行為がありますが、今は、抜き取ることで発生するズレ力が仙骨部に重大なダメージを与えて褥瘡の危険性が増すことが分かっています。また、重ねると立体ギャザーを低くしてしまうので、モレのリスクになります。
だから、1枚使いを徹底する流れは起きつつあります。その流れを受けてメーカー各社は、紙パッド1枚の吸収量を増やした製品を開発しています。

「下着に戻れる」「最初から下着のままで生活を続けることができる」この選択肢って、今までなかったでしょう。

辻岡義之さん(ミツカワ)

辻岡義之さん 紙おむつ使い始めるシチュエーションにおいて、今までは、当事者に選択権がなかったんです。紙おむつと紙パッドを使うという道しかなかった。そのような現場において、『オープンスタイル』のような下着感覚のホルダーが登場したことだけでも全然違う状況になります。「下着に戻れる」ということを実感する、または、「最初から下着のままで生活を続けることができる」ということに安心をおぼえる。どちらも当事者にとっては良いことです。

江副正典 いうなれば、下着に紙パッドを当てましょうという感じでしょう。
ホールド機能を持つ専用の下着を作るにあたって、既存の素材では解決できなかったのが伸縮性です。締め付けとフィットは違うんだなと思いました。編みの構造を工夫しました。着用者の身体の動きに合わせるのがポイントでした。肌に当たる部分はポリエステルではなく綿が良いので、それを実現する工夫もしましたね。

浜田きよ子先生 介護の現場は、当事者にとっては生活の場なんです。そのあり方を大切に扱い、介護する側の人も一緒になって生活を作っていくためには、お尻まわりの快適さを実現することが不可欠で、『オープンスタイル』のような布製ホルダーを、メーカーの枠を超えて共同研究・共同開発できたことは、私にとっても大変に意義深い経験になりました。

Fin.

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